驢馬の声この世界は、山のようなもの。善いことでも悪いことでも、何かこちらが叫べば、 それと同じ言葉が山から返ってくる。 「わしが綺麗なことを言ったのに、 山は汚い言葉を返しおった」 などと考えたら大間違いだ。 鶯が山に囀れば、山に鴉の鳴き声がする、 驢馬の声がする・・・・ そんなことがあってたまるものか。 驢馬の声が返ってきたら、 こちらが驢馬の声を出したのに間違いはない。 美しい声を出せ、 山の麓を過ぎる時。 驢馬声でなぜわめくのか、 わめけば山に聞かれるぞ。 = サナーイー = 聞け、うるわしいそなたの声が 遥々と蒼穹にこだまする。 = サナーイー = |